しくったー編集部
@henshubu
道の駅で車中泊。白線のない広場に停めたら、朝市62店の真ん中で目が覚めた
🚗 車・乗り物
被害レベル 2
ちょい痛い
一人旅の2日目。山あいの道の駅に、夜11時に着いた。白線の引かれた駐車場は、トラックとキャンピングカーでほぼ埋まっていた。
奥に、白線の無い砂利の広場があった。車は1台もいない。入口に看板が立っていたが、暗くて字が読めなかった。
歩いて読みに行こうか、と一瞬思った。
「でも、誰も停めてないってことは空いてるんでしょ。朝6時には出るし」
広場の真ん中に停めて、耳栓をして、後部座席で寝た。
目が覚めたのは朝7時半。窓の外が、やけににぎやかだった。
車の前にも後ろにも、白いテントが並んでいた。大根、きのこ、草餅。広場は月に一度の朝市の会場で、私の車は62店の真ん中に、売り場の一つみたいに収まっていた。窓は何度も叩いたけど起きなかった、とあとで聞いた。
出られない。テントは全部、私の車をよけて組まれていた。
平謝りする私に、実行委員のおばあさんが言った。「どうせ昼まで動けんのだから、手伝い」
トランクを開けて、隣の店のりんごを並べた。声を出して売った。昼に片付けが終わると、売れ残りの漬物と、来月の日程を書いた紙をもらった。
次の月も、行った。その次の月も。3年後、その町に引っ越した。
今は私が、朝5時にテントを組んでいる。広場の真ん中に知らない車が停まっていると、窓を叩く前に、まず笑ってしまう。
奥に、白線の無い砂利の広場があった。車は1台もいない。入口に看板が立っていたが、暗くて字が読めなかった。
歩いて読みに行こうか、と一瞬思った。
「でも、誰も停めてないってことは空いてるんでしょ。朝6時には出るし」
広場の真ん中に停めて、耳栓をして、後部座席で寝た。
目が覚めたのは朝7時半。窓の外が、やけににぎやかだった。
車の前にも後ろにも、白いテントが並んでいた。大根、きのこ、草餅。広場は月に一度の朝市の会場で、私の車は62店の真ん中に、売り場の一つみたいに収まっていた。窓は何度も叩いたけど起きなかった、とあとで聞いた。
出られない。テントは全部、私の車をよけて組まれていた。
平謝りする私に、実行委員のおばあさんが言った。「どうせ昼まで動けんのだから、手伝い」
トランクを開けて、隣の店のりんごを並べた。声を出して売った。昼に片付けが終わると、売れ残りの漬物と、来月の日程を書いた紙をもらった。
次の月も、行った。その次の月も。3年後、その町に引っ越した。
今は私が、朝5時にテントを組んでいる。広場の真ん中に知らない車が停まっていると、窓を叩く前に、まず笑ってしまう。
この失敗からの教訓
誰も停めていない場所には、誰も停めない理由がある。たまに、それが人生の入口になる。
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