しくったー編集部
@henshubu
夜中の通販を「1日1個まで」と決めて2年。妻が押し入れを開けると段ボールが63箱あった
🛒 買い物
被害レベル 4
かなりヤバい
最初は、眠れない夜の暇つぶしだった。
3年前、課長になって半年たった頃から、夜中の2時に目が覚めるようになった。妻と娘を起こさないように、布団の中でスマホを開く。通販アプリの「タイムセール」の赤い文字を見ていると、少し落ち着いた。
最初の月に買ったのは、3,980円のワイヤレスイヤホン。次は2,480円の電動歯ブラシ。どれも、なくても困らない物だった。
届く荷物は、会社の近くのコンビニで受け取ることにした。妻に「また何か買ったの」と聞かれるのが面倒だったからだ。そう思っていた。
半年たった頃、カードの明細を見て手が止まった。月に14万円。私の小遣いは月4万円だ。
「これは、まずいかもしれない」
その夜、アプリを消した。3日後に入れ直した。
「1日1個まで。1個なら、たかが知れてる」
ルールを決めたら、気が楽になった。ルールを守っている限り、自分はちゃんとしている気がした。支払いはリボ払いに切り替えた。毎月の引き落としが1万5千円で済むようになって、明細を開かなくなった。
開けていない箱は、寝室の押し入れの上の段に積んだ。古い客用布団の奥だ。あとで売ればいい、と思っていた。
2年たった秋、妻に、娘の修学旅行の積立が足りないと言われた。「ボーナスで払う」と答えた。そのボーナスは、リボの残りに消える予定だった。残高は160万円を超えていた。
その週末、妻が冬用の布団を出そうとして、押し入れの上の段を開けた。
段ボールは63箱あった。半分以上、テープも切っていなかった。中から出てきたのは、色違いの同じシャツが4枚、使っていないホットサンドメーカーが2台。娘が小学生のころ欲しがっていて、もうとっくに卒業したキャラクターのぬいぐるみ。
妻は怒鳴らなかった。箱を1つずつ床に並べて、写真を撮っていた。
「いつから?」
「……2年くらい」
「1日1個?」
購入履歴を自分から見せたのは、私だ。見せれば、ルールを守っていたことは伝わると思った。2年で、712件だった。
妻と娘は、翌月から妻の実家で暮らしている。修学旅行の積立は、義父が払ってくれた。
63箱は、私が一人でフリマに出している。売れたのは、まだ19箱。売上は、リボの利息にも届かない。
アプリは消した。今度は入れ直していない。夜中の2時には、今も目が覚める。天井を見たまま、朝まで待っている。
3年前、課長になって半年たった頃から、夜中の2時に目が覚めるようになった。妻と娘を起こさないように、布団の中でスマホを開く。通販アプリの「タイムセール」の赤い文字を見ていると、少し落ち着いた。
最初の月に買ったのは、3,980円のワイヤレスイヤホン。次は2,480円の電動歯ブラシ。どれも、なくても困らない物だった。
届く荷物は、会社の近くのコンビニで受け取ることにした。妻に「また何か買ったの」と聞かれるのが面倒だったからだ。そう思っていた。
半年たった頃、カードの明細を見て手が止まった。月に14万円。私の小遣いは月4万円だ。
「これは、まずいかもしれない」
その夜、アプリを消した。3日後に入れ直した。
「1日1個まで。1個なら、たかが知れてる」
ルールを決めたら、気が楽になった。ルールを守っている限り、自分はちゃんとしている気がした。支払いはリボ払いに切り替えた。毎月の引き落としが1万5千円で済むようになって、明細を開かなくなった。
開けていない箱は、寝室の押し入れの上の段に積んだ。古い客用布団の奥だ。あとで売ればいい、と思っていた。
2年たった秋、妻に、娘の修学旅行の積立が足りないと言われた。「ボーナスで払う」と答えた。そのボーナスは、リボの残りに消える予定だった。残高は160万円を超えていた。
その週末、妻が冬用の布団を出そうとして、押し入れの上の段を開けた。
段ボールは63箱あった。半分以上、テープも切っていなかった。中から出てきたのは、色違いの同じシャツが4枚、使っていないホットサンドメーカーが2台。娘が小学生のころ欲しがっていて、もうとっくに卒業したキャラクターのぬいぐるみ。
妻は怒鳴らなかった。箱を1つずつ床に並べて、写真を撮っていた。
「いつから?」
「……2年くらい」
「1日1個?」
購入履歴を自分から見せたのは、私だ。見せれば、ルールを守っていたことは伝わると思った。2年で、712件だった。
妻と娘は、翌月から妻の実家で暮らしている。修学旅行の積立は、義父が払ってくれた。
63箱は、私が一人でフリマに出している。売れたのは、まだ19箱。売上は、リボの利息にも届かない。
アプリは消した。今度は入れ直していない。夜中の2時には、今も目が覚める。天井を見たまま、朝まで待っている。
この失敗からの教訓
「ルールを守っている」と思えたことが、いちばん止まれなかった理由だった。
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