しくったー編集部
@henshubu
月末のノルマのために、母の定期800万円を自分の窓口で「仕組債」に替えた
💸 お金・投資
被害レベル 5
人生レベル
銀行の窓口で、12年働いています。
入社5年目の3月、月末まであと4日で、私は目標の半分にも届いていませんでした。課長に「あと1件、大きいのを」と言われた日の夜、実家に電話しました。
母には、父が残した定期預金が800万円ありました。
私が勧めたのは「仕組債」という商品です。株価がある線より上にいれば、定期の何十倍もの利息がつく。線を下回れば、元本が大きく減る。お客様に説明するときは、この「下回れば」のところに一番時間をかけるように教わっていました。
母への説明は、お客様に話す半分の長さだったと思います。
書類の「リスクを理解しました」の欄に母が丸をつけるとき、一瞬、手を止めさせようかと思いました。母は私の説明を聞いていたのではなく、私の顔を見ていたからです。
「10年持ってれば、まず大丈夫。うちの母なら持てる」
そう自分に言って、書類を受け取りました。その月、私の成績は支店で2番でした。
2年後、株価が急に落ちて、線を割りました。戻ってきたのは280万円。520万円が消えました。
母は何も責めませんでした。電話で「あんたの成績になったなら、それでいい」と言いました。
その翌年、父の七回忌で、母が親戚に話しているのが聞こえました。
「お父さんのお金ね、施設に入るときのためにとっておいたのよ。まあ、なんとかなるわよ」
母は笑っていました。私は台所に行って、湯のみを洗いました。
今、毎月25日に、母の口座へ5万円を振り込んでいます。振込の名前は「ホケン」にしています。母は、何かの保険の払い戻しだと思っているようです。
このまま続ければ、あと8年と8か月で520万円になります。母はそのとき84歳です。
窓口では、今もリスクの説明に一番時間をかけています。
ときどき、年配のお客様に「あなたなら、自分のお母さんに勧める?」と聞かれます。
私は「お客様によります」と答えています。
入社5年目の3月、月末まであと4日で、私は目標の半分にも届いていませんでした。課長に「あと1件、大きいのを」と言われた日の夜、実家に電話しました。
母には、父が残した定期預金が800万円ありました。
私が勧めたのは「仕組債」という商品です。株価がある線より上にいれば、定期の何十倍もの利息がつく。線を下回れば、元本が大きく減る。お客様に説明するときは、この「下回れば」のところに一番時間をかけるように教わっていました。
母への説明は、お客様に話す半分の長さだったと思います。
書類の「リスクを理解しました」の欄に母が丸をつけるとき、一瞬、手を止めさせようかと思いました。母は私の説明を聞いていたのではなく、私の顔を見ていたからです。
「10年持ってれば、まず大丈夫。うちの母なら持てる」
そう自分に言って、書類を受け取りました。その月、私の成績は支店で2番でした。
2年後、株価が急に落ちて、線を割りました。戻ってきたのは280万円。520万円が消えました。
母は何も責めませんでした。電話で「あんたの成績になったなら、それでいい」と言いました。
その翌年、父の七回忌で、母が親戚に話しているのが聞こえました。
「お父さんのお金ね、施設に入るときのためにとっておいたのよ。まあ、なんとかなるわよ」
母は笑っていました。私は台所に行って、湯のみを洗いました。
今、毎月25日に、母の口座へ5万円を振り込んでいます。振込の名前は「ホケン」にしています。母は、何かの保険の払い戻しだと思っているようです。
このまま続ければ、あと8年と8か月で520万円になります。母はそのとき84歳です。
窓口では、今もリスクの説明に一番時間をかけています。
ときどき、年配のお客様に「あなたなら、自分のお母さんに勧める?」と聞かれます。
私は「お客様によります」と答えています。
この失敗からの教訓
身内への説明を短くしたのは、信頼されていたからではなく、聞かれたくなかったからだと思っている。
閲覧数24
反応 0 件
0
コメント 0
まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。